
中国は、上海。
今回は、上海の街に点在しているシェアサイクルについてお話ししてみようと思う。
面白いのが、街中だけでなく大学内でも借りられるし、乗れちゃうところ。
上海では、黄色と青色の2色が大半を占める。
(たまに緑)
この黄色と青色、まるでドラえもんとドラミちゃんのようで、なかなか可愛い。
ちなみに、黄色と青色では運営元や使用するアプリ、乗り方が少しずつ異なってくる。
黄色と青色の違いと、中国でのレンタル自転車の普及率、乗り方、料金システムなどについてレポしていきたいと思う。
それでは、レッツゴー!
※この記事内の写真はすべて筆者が撮影した写真です
上海におけるシェアサイクル事情
昨今、日本の都市圏でも少しずつ普及し始めているシェアサイクル。
割とどこにでも乗り捨てができて、料金も安めなのが特徴。
けれど、中国のシェアサイクルは、その「安い」が日本の比じゃない。
…ちなみに筆者、日本でシェアサイクルに乗ったことがない。
というのも、自転車に乗るとなぜか木に衝突してしまう。
そんな筆者が初めてシェアサイクルにチャレンジしたのは、ここ中国。
の上海。の大学の敷地内…(^^;;
転ぶ×引かれる×衝突の、トリプルコンボをキメる可能性が高すぎるため、
最初の舞台には「広〜くてひたすら一本道が続く校内」を選んだ。
とはいえ、ここ中国の大学内はとにかく広い。
多くの学生や関係者は、自前の電動バイク?(日本で言う原付)で校内を移動するのが当たり前。
ノーヘル3人乗りなんて日常風景。
校内などの限られたエリアでは、どうやら免許がいらないらしい…。
ホントに?!
そんなこんなで、自転車にまたがったら右から原付がブーン。
ペダルに足をかけたら目の前を原付がブーン…。
結局、こわくて乗れなぃ(^_^;)
思わず自分にちょっとイラッとした。
中国で使える魔法ワード(小話)
そうだ。
人間、イラッ💢とする瞬間ってあると思う。
でもここ、中国ではその感情を一瞬で鎮める魔法の言葉があるのだ。
それはーー「This is China」
まあ、中国だし。
そう思うだけで、目の前の全部がちょっとしたファンタジーに思えてくる。
むしろ楽しくなってくる。(トランス状態)
美团【黄色】と哈罗【青色】

さてさて、自転車の色の違いについてお話ししていこうと思う。
まず前提として、筆者がいるのは上海。
これが北京や厦門となると、また事情が変わってくる。
上海のシェアサイクルは、基本的に
・美团(メイトゥアン)の【黄色】と、
・Alipay(支付宝)系列の【青色】が主流。
市街地の方に出れば、緑色の自転車もちらほら見かける。
美团【黄色】の乗り方

通称・ドラミちゃんこと【黄色】の自転車の名前は「美团单车」(メイトゥアン ダンチャー)。
その名の通り、「美团」という、日本のウーバーイーツ的なオーダーしたら30分以内になんでも届けてくれるよ的なアプリを通して借りる自転車だ。
もともとこの黄色の自転車は、オレンジ色だった。
当時は「摩拜单车(Mobike)」という別のシェアサイクル会社が運営をしていたそう。
それが2018年、「美团」に買収されたことで、車体の色が徐々にオレンジから美团カラーの黄色へと変わっていった……という経緯があるらしい。
ちなみに筆者は、哈啰(ハロー)=青色派なので、
正直なところ美团【黄色】には乗ったことがない。
なんとな〜く、哈啰だとAlipay(支付宝)でサクッと支払いが済むのが便利で、ついそっちを選んでしまう。
(※なお、美团のフードデリバリーサービス「美团外卖」にはしっかり散々お世話になっている。💦)

〜美团单车【黄色】の乗り方〜
1. App StoreやGoogle Playで「美团」と検索
2. 黄色地に「美团」と書かれたアプリをダウンロード
3. 電話番号で登録(※中国の電話番号推奨)
4. アプリ内の「骑车」アイコンをタップ
5. 近くの黄色い自転車のどっかに着いてるQRコードをスキャン(雑)
6. 数秒後、ロックが解除され乗車可能
〜美团单车【黄色】の返し方〜
返すときもとっても簡単!
1. 目的地に着いたら、自転車を停めて降りる
2. 後輪に着いてる手動レバーを閉じる
3. 返却完了の通知がスマホに届けばOK!
※路上に停める時は「指定エリア」かどうかだけ要注意。違反エリアに返すと、ペナルティ料金が発生することもあるとか…。ただしエリアは地図で確認可能なので安心。
というような流れで、③の電話番号登録までを終えて、美团に決済方法(WeChatPayやAlipayなど)を追加しておけば、あとは本当に簡単。
ちなみに、美团に紐付け可能な決済方法は以下のいずれか:
・WeChatPay(微信支付)
・Alipay(支付宝)
・美团支付(Meituan Pay)
そして、こういうところで電話番号の重要性が出てくる。
旅行でも、留学でも、お仕事でもーー
中国に行くなら、中国の電話番号があると断然ラク!
今は中国電話番号付きのSIMカードはアマゾンなどで鬼ほど売っているので、入手も簡単。
(おすすめのSIMなどは別記事で紹介予定)
とにかく、中国の電話番号をGETするだけで、できることの幅がグッと広がる。
シェアサイクルも、フードデリバリーも、アプリ登録も…
中国滞在をより一層楽しみ尽くす為の第一歩、かも?!
一方、哈啰单车【青色】はAlipay系列なので新しくAppをダウンロードする必要は無し。
直接Alipayから乗れちゃうのがポイント高い。
〜だから私は、哈啰〜。ということで
哈罗【青色】乗り方

〜哈啰单车【青色】の乗り方〜
1. Alipay(支付宝)を開く
2. 上に並んでる4つのアイコンの一番左、
Scanもしくは「扫一扫」をタップ
3. 青色の自転車のどっかに着いてるQRを読み込む(基本ハンドルの真ん中とサドルの下)
4. アプリ内の解锁 or Unlockをタップ
5. 数秒後、自転車ロックが自動で解錠される

〜哈啰单车【青色】の返し方〜
1. 指定エリア内に停める(とりあえずたくさん自転車が置いてある場所なら基本大丈夫)
2. 後輪のレバーを手動でガチャン
3. アプリ内の「上锁 or Lock」をタップ
4. スマホに「还车成功」と表示=返却完了
5. そのままAlipay内で支払いを済ませる

と言った流れ。
哈啰【青色】は運営元がAlipayなので、支払いは基本Alipay経由。
Wechat Payユーザーには美团の方が向いてるかも。
ずぶ濡れになった話(小話パート2)
ちなみに哈啰【青】は解錠時に「♪ハロ〜♪ダンチャ〜♪」と喋るのが可愛い。
授業終わりの教室棟前では、「♪ハロ〜♪ダンチャ〜♪」が何重奏にもなって鳴り響く・・・。カオスだ。
さらに、校内で借りる場合は、教室棟前などに返却スペースがあり、係のおじちゃん・おばちゃんが誘導&受け取りしてくれることも。(非常にありがたい)
前かごもしっかりついていて荷物も入れられるが、
忘れ物には要注意。

筆者の学校の場合、正門から教室棟までは徒歩で25分。まあまあ、いや、けっこう距離がある。
ある朝。
正門をくぐった瞬間、ふと空を見上げるとーーどうも雲行きが怪しい。
念のため天気予報を開くと、まさかの表示が目に入った。
「15分後に土砂降り」
蘇州方面から雨雲が、確実にこちらに迫ってきている…。
これ、もう歩いてたら終わりで〜す。
正門から教室棟までは屋根が無い。
歩いて25分。
これはヤバい。
と思い、哈啰に乗ることを決意。
リュックを背負い、手に持っていた折り畳み傘とペットボトルを前かごにIN。
自転車をぶっ飛ばせば、およそ7〜8分で教室棟に到着できる。
「よし、勝ったな。」
そう思いながらも、フツーに余裕で教室棟へ到着。
自転車の施錠と支払いを済ませて、教室へ。
そして、席に着いた瞬間ーー
土砂降り(◎_◎;)
「…哈啰に救われた。」
と思った…。
心から。
がーー
あれ?そういえば、傘がない。
筆者は…まさかの、傘を…哈啰の前かごに置いてきた。
まあ、授業終わったら取りに行けばいいか、と思ったけども、
筆者の学校では、自転車の台数合わせなのか、なんなのか?授業開始とともに自転車回収のおじちゃん・おばちゃんが登場し、トラックに自転車を積みまくり、どっかへ持って行ってしまう。
のでそれは出来ない。
結局、私は走って教室を飛び出し、傘の救出に向かった。
せっかく哈罗のおかげで濡れずに済んだのに、
自分の不注意で、筆者はびしょ濡れになった。
(ちなみに自転車はまだそこにあって、傘も前かごでちゃんと待っていた。)
慣れない土地&何かから逃げている時は、前カゴは使うべきではないと学んだ。
筆者の記憶は一瞬で飛んでいく。
そう言う特性、、が、ある……
けれども何故か、中国では生きやすい。
一回、騙されたと思って、中国行ってみてほしい。
中国でのシェアサイクル普及率の高さ
中国は、もはや“世界一のシェアサイクル大国“と言っても過言ではないほど、にシェアサイクルが生活に浸透している。
実際、どの道を歩いていても、黄色か青色の自転車がずらりと並び、学生からおばちゃん、スーツ姿のおじさままで、老若男女問わず使っているのだ。
逆に、マイ自転車を持っている人・乗っている人を見かけない。
なぜ、ここまで中国でシェアサイクルが普及したのか?
その理由は主に以下の3つらしい:
①都市人口の多さと渋滞問題
大都市ではとにかく人が多い。+交通渋滞が激しい。
=「地下鉄+シェアサイクル」の組み合わせが、最も安定かつ効率的とされている。
実際、中国の渋滞はとんでもない。
鳴らしても進まないのに皆、ビービービービークラクションを鳴らしまくっている。24/7。
(高架前のホテルに宿泊した際、夜中中鳴り響くクラクションに慣れるのに数日かかった。)
……まあ、これもChinaだ。味がある。
②スマホ決済の普及
WechatPay(微信支付)やAlipay(支付宝)を使えば、数秒で自転車ロック解除〜乗車〜どこでも乗り捨て可〜支払いも一瞬。
スマホさえあれば、財布出さずに生活可能。
③安さ
中国のシェアサイクルは、距離ではなく時間で料金が決まる。
地域により設定料金が異なるが、例えば上海の場合は30分1.5元(30円)。
30分毎に1.5元づつ加算されるシステムだが、短距離で済む日常利用ならかなりお得。
こうした理由から、中国ではシェアサイクルが“生活の一部”としてすっかり定着している。
Alipayさえあれば、青色の哈罗にピッと乗れて、そのまま颯爽と移動できるのだから、使わない理由、逆にない。
ちなみに、シェアサイクルって汚いんじゃないのか・・・と思っていたが、実際そんなこともなかった。
サドルにはしっかり布が貼られていて、金具が剥き出しなんてことも無く、サドルの高さも調節もできる。
ベルもしっかり着いているし、探せば電動もある。
まとめ 〜青と黄のある日常〜

ということで、今回は中国のシェアサイクル事情についてまとめてみた。
結論から言うとーーー
中国で暮らすなら、自転車に乗れ!
【青色】の哈啰单车はAlipayのみの支払いで非常に楽。
スマホでロックの開閉を行い、返却確認のステップもあるので、確実派におすすめ。
【黄色】の美团单车はAlipay、WechatPay、美团支付と支払い方法が豊富。
ただし、利用には専用アプリのダウンロードが必要。
返却は手動でロックをかけるだけなので、楽。だけどロック忘れると課金され続ける。
サクサク派におすすめ。
さて、どちらが借りやすいかといえば、個人的には【青色】の哈啰单车(Alipay系列)に軍配。
理由はシンプルで、Alipayだけで完結するから。
プラス、体感的にも哈啰【青色】の方が人気な印象。
自転車置き場に美团があっても哈罗があったらみんな哈罗を選ぶ。
乗りやすさ、安さ、そして交通渋滞の激しさ。
これらすべてが、中国でのシェアサイクル普及を後押ししているのだろう。
通勤・通学はもちろん、大学校内でも大活躍。
配達員さん(美团や饿了吗)も利用、旅行者や短期滞在者にも超便利。
中国に行くなら、ぜひ一度乗ってみてほしい。
中国のシェアサイクルは、地域密着型の激安アトラクションだ。
生活の足としてはもちろん、ちょっとした冒険にもなる。
今宵はこのへんで。
再见大家~👋
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